夏の養生 

 万物が輝きあふれる「蕃秀(ばんしゅう)」のとき

立夏(5月5日頃)から、小満、芒種、夏至、小暑、大暑を経て、立秋の前日までを「夏」と捉えます。 この3ヶ月間は、万物が繁栄し、華やかに美しく輝く『蕃秀(ばんしゅう)』の季節。天地の気が盛んに交わり、植物が花咲き実るように、私たちのエネルギーも外へと大きく広がるときです。

夏の養生ポイント:太陽とともに、健やかに巡る

① 太陽のリズムで動き、新陳代謝を促す

夏は少し夜更かしをしても構いませんが、朝は早めに起きて太陽の光を浴びましょう。暑さを嫌がって閉じこもるのではなく、適度に戸外で体を動かし、汗とともに体内の廃物を出し切ることが大切です。新鮮な空気を吸い込み、新陳代謝を促しましょう。

② 心を平らかに、向上心を持つ

植物が開花するように、自分の中の「陽気」を皮膚から外へと発散させるときです。焦りや怒りは禁物。楽観的な気持ちを保ち、何事にも前向きな「向上心」を持つことで、心身の風通しを良くしておきましょう。

③ 賢い水分補給と、胃腸への思いやり

  • 早めの補給・飲みすぎ注意:喉が渇く前に少しずつ。ただし、冷たい水の飲みすぎは内臓を冷やします。
  • 食事中の水は控える:食事中に水を飲みすぎると消化液が薄まり、胃腸に負担をかけます。
  • お茶やミネラル水を:カフェインや糖分の多いものではなく、良質な水分を選びましょう。

④ 季節の食で「熱」と「湿」を払う

  • 清熱(せいねつ)・利水(りすい):体にこもった熱を逃がす「ゴーヤ、緑豆」や、余分な水分を出す「スイカ、きゅうり」を積極的に。
  • 湿邪(しつじゃ)を防ぐ:梅雨時期の「湿気」は体に溜まりやすく、不調の元。湿気を取り除く食材でケアしましょう。
  • 陰を養う:陽気が盛んな夏こそ、体の潤い(陰)が不足しがち。胃に優しい「おかゆ」などで滋養を補うのもおすすめです。

【梅雨の特別ケア】湿気に負けない「自律神経」と「デトックス」

夏本番の前、高温多湿が続く梅雨時期(土用)は、汗がうまくかけず自律神経が乱れがちです。ヨガのポーズで内側から「滞り」を流しましょう。

1. 猫のポーズ(マルジャーラ・アーサナ):自律神経を整える

背骨を波打つように動かし、背中周りの緊張を解きほぐします。

  • やり方:四つん這いになり、息を吐きながら背中を丸め、吸いながら胸をひらいて視線を斜め上へ。
  • 効果:背骨を通る自律神経に刺激を与え、梅雨特有の「頭の重さ」や「気だるさ」をスッキリ解消します。

2. 体をねじるポーズ:芯から老廃物を出す

お腹を優しくねじることで、内臓をマッサージし、代謝を促します。

  • やり方:座った状態で片膝を立て、吐く息に合わせてゆっくりと腰から上をねじります。
  • 効果:体の芯に溜まった老廃物の排出(デトックス)を助け、重く感じていた体と心を軽くしてくれます。

3. 太陽礼拝(スーリヤ・ナマスカーラ)と脇伸ばし:夏を呼ぶ体づくり

  • 脇を伸ばす:夏に負担がかかりやすい「心(しん)」の通り道を整え、呼吸を深くします。
  • 太陽礼拝:梅雨の晴れ間には、全身をダイナミックに動かしましょう。スムーズに発汗できる「夏仕様の体」へとスイッチを入れます。

4.太極拳のすすめ

ゆったりとした円の動きは、夏の高ぶりやすい感情を鎮め、深い呼吸へと導いてくれます。自分の中に「静かな余白」を。 暑い夏だからこそ、太極拳のゆっくりとした動きで、大宇宙のリズムに身をゆだねてみませんか?

かのん けいからのアドバイス

 「湿気で重たくなった体は、無理に動かすよりも、まずは『ねじる・伸ばす』で内側のスペースを広げてあげるのが近道ですよ